こちらの記事の続きです。
先日、自治体との話し合いが終わりました。
保育園への入園は認められました。
児発との並行通園も、OKが出ました。
結果、私が望んでいることは受け入れてもらえた状況です。
でも、「スッキリ!」という気持ちになれなかったのは、
障害児の親が就労することについて、自治体側が支援に消極的であることが透けて見えてしまったからです。
障害児親が就労できない問題、「課題だと認識しています」と口では言うけれど
私の住む市には、発達相談支援センターという、障害を持つ子どものさまざまな相談に応じ、それに合わせた支援の決定、受給者証の発行などを一手に担う機関があります。
一見ワンストップで相談できるありがたい存在のようですが、逆に言うとそこが許可を出さないとあらゆる支援が受けられない、突破しなければならない関門のように私は感じています。
現に今回も、保育園と児童発達支援施設の並行通園に、最初は難色を示されました。
なので、許可をもらうために色んな人にアドバイスをいただきながら、説得(?)して勝ち取ったんです。
相談員さんと作戦会議して、「どう交渉するか」っていつも考えてから臨んでいます。取引先への営業かよ。
その機関と今回話をしました。
私の目的は二つ。
①保育園の入園を快く思ってもらい、児童発達支援施設との並行通園を認めてもらう
②医療的ケア児の親が働くことのハードルを直談判し、自治体としてどう改善していくのか考えを聞く
①については認められたのでよかったのですが、
問題は②です。
質問をぶつけたら担当者から帰ってきた答えは、
「障害児の親が働けないことはずっと課題として認識していますが、受け皿がないので、解消できていないんです」
でした。
それを聞いた私の正直な気持ちはこうです。
「受け皿がない、じゃなくて作ろうとしてない、の間違いじゃない?」
母子通園の療育のみを良しとしている自治体
自治体としては就学前は母子通園での療育のみを推奨している(母子通園の児発施設しか紹介しない)らしく、まずもってニーズを正確に把握しているかどうか自体怪しい。
障害児の発達支援について相談すると「母子通園施設で療育を受けていただくことになります」としか言われないので、それに対して「働きたいのですが…」とはなかなか言える状況じゃないです。
言ったとしても「まずは母子通園でお子さんの発達を一緒に…」と言われるのが関の山でしょうけど。
保育園に入れたいと思ったとしても、受け入れ可能な施設が非常に少ない上、
なんとか見つけたとしても、「集団保育に適さない」と評価されたら終わり。
だったら、母子分離で通える児童発達支援施設を使えばいいんじゃないのかな?
と思って、一度申請したことがあるんです。
そしたら、許可が出ませんでした。
理由は、「児童発達支援施設は親の就労目的の施設ではないから」
えっと…
そんなこと言ってる場合ですか?
今ある社会資源でなんとかしようという姿勢が見えない
親の就労が課題だと言うなら、「ずっと」認識しているなら、
今ある資源でどうにかしようと思わないんでしょうかね。
仮に児童発達支援が親の就労のためではないとしても、
一定時間、親と子が離れて過ごせる場があるのなら、
「じゃあその時間働こう」っていう選択肢をとっても、よくないですか?
その間に子供は専門スタッフさんから療育を受けられる。
たとえば預け先がなくて親が在宅で仕事をしながら子供の面倒を見なきゃいけなくて、
その間ずっとYouTube見せてるよりも、よほど子供の発達のためになりませんかね。
いくつか見学に行った児発では、
預けている間働くならなるべくバックアップしたいとまで言ってくれるところもありました。
その児発は、我が市でも貴重な、重度心身障害児を預かってくれるデイなのに、児発としての未就学児利用はゼロだそうです。
なんか、ねじれてません?
自治体は受け皿がないという。
でも実際は、受け皿になりえる児童発達支援施設がある。
空きもある。
施設側も利用はウェルカム状態。
もちろん親がその間働くのもOK。
だから、自治体に利用したいと言う。
のに、許可が出ない。
なぜなら児発は就労のための施設ではないから。
状況的には、利用者と事業所の需要と供給がマッチしているように見えるんですけど。
それで契約が成立しないってことがあるんですね。
利用者と事業所、双方の機会損失に見えるのは私だけでしょうか。
そしてその機会損失を生んでいる原因が自治体って、そんなことがあっていいんでしょうか?
それで、「課題なんです」「受け皿がないんです」と言われても、全然響いてこないです。
悔しくて、泣きながら抗議してしまった…
預けられるところがあるのに、自治体に相談しても紹介されないから知らない、申請しても利用目的が違うからと通所許可がでない、そんな現状なら、
我慢しなければならない、頑張って耐えるしかない、そんな親が無限に増えていくだけだなって。
そんなことを考えたら、なんだか悔しくなってしまって。
「受け皿を作ろうとして何も進んでいないなら、今ある資源をつかって少しでも良くしようと思ってはもらえないんですか」
と、泣きながら抗議してしまいました…
冷静に話すつもりだったのに、涙があふれてきてしまった…(失敗)
最終的に「今後医療的ケア児の親の就労について、どうして支援していくのか教えてください」と聞いたところ、即答できず、回答持ち帰りになりました。
総じて、温度差をすごく感じた話し合いでした
自治体は「課題」と言っていましたが、その課題を解決したいという想いが全く感じられない話しぶりでした。
こちらは切羽詰まった状況だったし、だからこそ訴えたい気持ちが強くて、熱くなってしまったのですが、向こうはピンと来てない様子で…
途中、「ごめんなさい、私今ついて行けてないんですが…」とか言われましたし。苦笑
私の伝え方にも問題があったんだと思いますけど、
生活かかってたり、ずっとお世話にかかりきりで余裕がなくなってしまったりで、今すぐにでもこの状況を改善したい障害児の親と、
「課題なんですよねぇ」の一言で先延ばしにできる自治体との間に
ものすごく温度差を感じた話し合いとなりました。
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