息子は1歳の時に胃ろうを作りました。
腹腔鏡手術で傷跡は小さく済むとはいえ、こんな小さい体に穴をあけること、
とても迷いましたし、戸惑いました。
手術するかどうかを決める時、私は不安でほかの人の経験談が聞いてみたかったので、私もここに記しておこうと思います。
結論から言うと、胃ろうを作ってよかった、と今は思っています。
胃ろうを作る提案を受けるまで
息子は生まれたときからミルクの飲みが悪く、嘔吐もあり、体重も増えにくかったので生後5日目から経管栄養でした。
最初は鼻から管を胃まで入れて(NGチューブ)胃に流していたのですが、嘔吐が止まらず。
せっかく入れても吐いてしまう、ということが続いて、腸まで管を入れる経腸栄養(EDチューブ)という方法にしました。
胃までの管は親でも入れることができるのですが、
腸までは放射線透視下でないと入れられません。
(レントゲンを撮りながら入れる、みたいな感じです)
なので、誤って抜いてしまった場合病院に連れていかなければならず、
開いていない時間に抜けばその間は栄養を入れられないので、結構いつもヒヤヒヤでした。
あまりにも嘔吐が止まらないので内視鏡検査を受けた結果、胃に病気が見つかり、
それを治すための手術と同時に胃ろう造成の提案を受け、それを承諾して今に至ります。
胃ろうを作ってよかったこと
先ほども言ったように、胃ろうにしてよかったです。
ざっくり言うと、QOLがだいぶ上がりました。
嘔吐が減った
これは、病気の手術の影響が大きいのですが、嘔吐がめちゃくちゃ減りました。
それによって、一日何度も着替えなくてよくなったり、吐くのが心配で出かけられなかったり、ということがなくなり、親の負担がだいぶ減った気がします。
息子も、吐かなくてよくなったのでたぶん楽になったと思います。
胃を使えるようになった→時間短縮にも
経腸栄養だったので、胃を使うことがなかった息子。
医師からは胃ろうを作る勧めを受けたとき、腸からより胃からのほうがより生理的だ、と言われていましたので、それができるようになってなんとなく安心感があります。
更に胃から栄養を入れられるようになったので、経腸栄養剤以外のもの(おかゆやペースト食など)をあげられるようになったのも大きいです。
やはり経腸栄養剤に足りない栄養素というのもあるらしく、違うものを入れることで肌の状態もよくなりました。
また、経腸栄養のときはゆっくり注入しないといけなかったので時間もかかりましたが、今はその時間も短縮されました。
その分お外に出て遊んだり、親としても時間を気にせず買い物に連れていけるようになったり、家族としての活動の幅が増えたと思います。
管理が楽になった
鼻からチューブを入れていた時は、とにかく抜かれるのが怖かったです。
抜いたらすぐに病院に連れていかないといけないのと、
放射線透視下で入れるために微量ですが放射線被ばくを繰り返すことになります。
少ない量でも何度も浴びればだんだんリスクは大きくなります。
なので、抜かれるのが本当にこわかった。
でも、鼻から入れている、という性質上、ふとした時に抜いてしまうんですよね…
顔を触った拍子に手を引っ掛けたり、
止めているテープのところがかゆくて、搔いているうちに剝いでしまったり。
だから、抜かれないようにとっても気を使っていました。
お風呂に入るときはテープが濡れてしまうのではがれやすく&抜けやすくなるし、
夜寝ているときにもいつ手を顔に持っていくか怖かったのでミトンをつけて寝せたり。
朝起きたら抜けてた、というショックを何度経験したか…(^-^;
胃ろうにしてからは、それが一切なくなったのが本当にストレスフリーです。
まずチューブが出ていないので抜かれる心配がない。
テープで止めることもないので顔の肌トラブルもない。
余談ですが、顔にチューブが出ていない分、周りの目が気になるってこともなくなりました。
胃ろうのデメリット
胃ろうにしてよかった、とは思いますが、当然デメリットもあります。
漏れる
胃ろうのチューブと、体に開けた穴の間がぴったり隙間なくくっついてるわけではないので、
たまに注入したものが漏れてきます。
Yガーゼを重ねて付けたり、スキマができにくいよういろいろと工夫はしていても、
気づかないうちに漏れ続けてしまい、服がぐっしょり濡れてしまうことも…。
水ならまだいいですが、栄養剤が漏れると匂いもするので厄介です。
頻繁に漏れる時と全く漏れない時があるので、
いつもというわけではない分、そこまでのストレスではありません。
肉芽のケア
「肉芽(にくげ)」といって、粘膜が胃ろうの穴の周りにできてしまうことがあります。
そこから血や露が出てきたり、その盛り上がり分チューブを押し出してしまい、スキマが開いて漏れにつながったりするので、できてしまうとやや大変。
できやすい子とできにくい子がいるみたいですが、うちの子はできやすいです。
できてしまったときは先生に相談して小さくする処理をしてもらいます。
抱っこするときに気を使わないといけない
先端のボタンが少しだけ出っ張っているので、
引っかかって抜けてしまわないよう、抱っこするときにとても気を使います。
おなかをこすったり、あまり大きい刺激を与えないように、というのも気をつけています。
他のお子さんを抱っこするお母さんたちが自由におなかを触ったりするのを見てると、
私は気を使ってるなぁ、と実感します。
お風呂のときなんかは、息子が触ってしまわないように気をつけないといけません。
でも、その時だけなのでやっぱり鼻からチューブの時よりも楽です。
まとめ
・嘔吐が減った
・胃を使えるように&注入時間短縮
・管理が楽になった
・漏れる
・肉芽のケア
・抱っこするときやお風呂のときに気を使う
メリット、デメリットを天秤にかけたとき、
私はメリットの方が圧倒的に大きいと今は感じています。
不安なのは、今後。
これからもずっと胃ろうのままだったらだんだんトラブルが増えてしまうんだろうか。
胃ろうが取れたとして、大きな傷跡が残ってしまうのかな…
なんてことを考えてしまうことはあります。
ただ、今のところはQOLが上がったこともあり、よかったな、と思っています。
今後また気づいたことなどあれば追記していきたいと思います。
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