産科医療補償制度への、申請を決めました。
脳性麻痺が分娩要因と認められた場合、総額3000万円の補償金が支払われます。
難しいのは、この「分娩に関連して」というところ。
うちの子には先天性遺伝子疾患があるのですが、それが起因の脳性麻痺である場合、補償対象とはなりません。
ただ、先天性遺伝子疾患があるからといって一概に除外されるものではない、ということなので、今回思い切って申請することにしました。
まだ申請を決めて書類を準備しているところなので、具体的な手続きはこれからなのですが、
今のところの流れを記しておくと共に、
今後についてもこちらに記録しておこうと思います。
申請を考えている方の参考になりますように
申請を考えたきっかけは、期限が迫っていたこと
この制度自体は知っていて、気にはなっていたのですが、
遺伝子疾患があるからたぶん該当しないんだろうな、と半ば諦めていたこともあり、積極的に検討していませんでした。
それでも今回申請を検討し始めたのは、期限が迫っていたからです。
たまたま病院で、「申請期限は満5歳の誕生日まで」と書いてあるチラシを見かけたんです。
うちの子は今年5歳を迎えるため、「あ、申請するなら今しかないんだ!」といわばお尻に火がついた感じで、制度について真剣に調べ始めました。
申請を決めるまでのステップと迷い
調べ始めてから申請するまで、たくさん悩み、迷いました。
迷い①補償対象外の可能性が高く、申請していいのかわからない
まずはHPを見たのですが、やはり補償対象には“先天性や新生児期等の要因によらない脳性麻痺であること”と書いてあり、「その可能性が高い息子が申請できるものなの…?」というのがわからず。
勇気を出して、産科医療補償制度専用コールセンター(フリーダイヤル)に電話して相談しました。
電話をかけると決めてから実行するまで1週間もかかった…毎度のことながら問い合わせって勇気が要りますね。
電話対応してくださった方はとても丁寧に話をしてくれて、
遺伝子疾患があることを伝えても「それで一概に対象外となるわけではないので、言い方はちょっとアレですが、『ダメもと』で申請される方もいますよ」と教えてくれました。
この回答は申請をすることの背中押しになりました。
そして、5歳の誕生日まで3ヶ月ということを考えて、できるだけ早めに動くように、ということも伝えられました。
まずは申請できる、ということがわかったので、次のステップ。
病院への相談です。
迷い②病院を疑うようで気が重い
早めに、と釘を刺されたので、次の受診で病院に相談してみよう、と思いました。
が、それもなかなか気が重くて…
この制度に申請するということは、分娩の時に何か問題あったんじゃないですか?と疑うことになるんじゃないかと思ったんです。
出産した病院も子供のかかりつけも同じなので、今後付き合っていく上で障壁になってしまわないかなぁ、とか。
とりあえず普段お世話になってるワーカーさんに言ってみよう…と、これも勇気を出して、「ちょっと申請を考えてるんですけど…病院に迷惑かけることになりませんか?汗」と聞いちゃいました。
ワーカーさんは「それは全然問題ないです」と。
むしろ、この機構に脳性麻痺の一例として、情報提供するくらいの気持ちで申請して大丈夫です、と言ってもらえたので、だいぶ救われました。
期限が迫ってるとのことで、申請するならすぐにでも動いてもらいたい、と言われた上で、
次のステップは主治医に相談して診断書を書いてもらうこと、と教えてもらいました。その診断書の文書代が結構高いので、それも含めて依頼するかどうか考えて、と。
迷い③診断書代が高額な上、主治医は「通らない可能性の方が高い」と
とりあえずワーカーさんから主治医に確認してもらったのですが、主治医からは「通らない可能性の方が高い」と言われました。
今の息子の脳性麻痺は、“分娩に関連して起こったもの”、というよりも“先天性(遺伝子疾患によるもの)”という可能性が高いと。
産科医療補償制度の申請に必要な診断書代が11,000円と高額なことから、
「通らない可能性が高いけど、これだけの費用をかけて申請するかどうか考えてみて」と言われてしまいました。
正直、これにはだいぶ悩みました。
我が子の将来のためにできるだけのことはしたいけど、1万円は大金…望みが薄いならやめようか、でも後悔したくない…
迷っていた時、“申請して補償対象外となったとしても、診断書代として1万円(一律)が機構より返金される”ということを知りました。
このことで躊躇う理由がなくなり、申請を決意。
ちなみにこの事実はTwitterで知りました。迷っているとツイートした私にリプライで教えてくれたんです…本当にありがたかった…
ワーカーさんは知ってたみたいで、聞いたら教えてくれました。相談した時に教えてくれぃ…泣
迷った末、申請を決意。
診断書代は返金されること、可能性が低くてもゼロではないこと、子供のかかりつけ医や病院自体が申請に否定的ではなかったことから、申請を決めました。
少しでも可能性があるなら、しないと後悔すると思ったからです。
お金は大事だからね。
申請するまでの流れ
私の場合、出産した病院と子供のかかりつけの病院が同じため、一箇所で全て完結できました。
流れとしては、
②ワーカーさんから機構に書類の取り寄せをしてもらう
③取り寄せた書類の中に「診断書」の用紙があるので、それを子供の主治医に記入依頼する
④私が用意する書類を取りまとめてワーカーさんに提出
とりあえずこんなところのようです。
今③まで終わったので、これから私が書類を記入し、診断書を待って病院に提出すれば申請は終わりです。
分娩機関(産科)には、ワーカーさんの方で必要書類の取りまとめを依頼してくれたみたいです。
④までが申請期限内であれば、病院から機構に提出するのがそれ以降になっても大丈夫だそうです。
期限内に「書類を病院に提出するまで」が完結すればOKとのことでした。
私の場合、分娩機関と子供のかかりつけが一緒だったので期限まで3ヶ月でも間に合いそうですが、別の場合は3ヶ月って結構ギリッギリのスケジュールのようです…検討はお早めに…!
申請を決めて今、思うこと
申請するからには、通ることを期待はしています。
けど正直、通るのもちょっと怖いです。
息子の脳性麻痺が、分娩起因だとしたら。
それはもしかしたらもしかして、防げたかもしれないの?と思うと…
今はまだ結果が出ていないので、実際結果が出たらどんな気持ちになるのか、
想像するのは難しいです。
でも、この制度に通ったら通ったで、もしかして複雑な気持ちになるのかな、と思ってしまいました。
実際に申請した親御さん、通った親御さんたちも、もしかしたらそんな気持ちを抱えているのかもしれません。
それでも、脳性麻痺、という事実はどう転んでも変わらない事実なので、
だったら少しでもプラスになるようなことをしてあげたいと、思っています。
最後に。
申請を迷っていた時、「今までこの制度への申請を勧められたことはありましたか?」と人に相談するたびに聞かれました。
「該当しそうなら今まで誰かが勧めてくれた(だから通る可能性は低い)んじゃないか」とも言われました。
でも、誰も勧めてくれなかったけど実は受けられた支援があったとか、今まで何度もあるんです。
だからもう、自分で見つけて、自分で動いていくしかないんだと。
常にアンテナを張り、該当しそうなものは手当たり次第、「もしダメでも失うものはない」の精神で、「これってうちの息子該当します?」と聞いていくしかないんだと、改めて思う次第です。
実際に手続きをした記事はこちら。
コメント